手指リハビリテーションに関する研究

手指運動をアシストするには,特に小型,軽量性が求められるため,本研究室ではばねを複合的に応用した柔軟メカニズムによってこれを実現しています.現在の試作機重量は200g程度で手指5本を日常生活に必要程度の握力をアシストすることができます.このほか,リハビリテーションに関する評価技術,生体信号処理等の研究を行っています.本研究はスイスETHZのスイスのETHZ, ReLab また 九州大学病院先端医工学診療部との共同研究として行ってきました.

手指リハビリテーションロボットSMOVE

本研究室では九州大学発ベンチャー企業である株式会社メグウェルをはじめ,株式会社三松帝人ファーマ株式会社と連携し,手指リハビリテーションの実用化に向けた研究を行っています.現在臨床研究等に取り組んでおり,早期の実用化を目指しています.

直径2.0mm, 3.5mmで先端に4自由度を有する手術ロボットツール

内視鏡や手術ツールを挿入して行われる低侵襲治療は,患者の身体的負担が大きく軽減されるため,広く行われるようなりました.特にこのような手術では,小型で,深部まで到達し,微細な操作を行える手術ロボットが求められています.本研究では,柔軟に変形する要素を動力の変換・伝達要素として応用することで,手術ロボットを従来より小型にすることが出来ました.これまでに開発したロボットの最小直径は2mmで,4自由度を有しています.開発したツールは小さな屈曲半径を有していることから,脳神経外科,小児外科,胸部外科手術など,これまでは導入が難しかった手術への応用が期待されます.本研究は,総合科学技術・イノベーション会議のImPACTプログラムの助成を受けたものです.

微細手術ロボットシステム「スマートアーム」

柔軟機構を導入した手術ロボットツールは,多機関連携のプロジェクト(ImPACT「バイオニックヒューマノイドが拓く新産業革命」,内閣府)によって,手術ロボットアーム,操作用ユーザーインターフェイス,センサ等を統合した微細手術を可能とするロボット・システム「スマートアーム」に搭載されました.プロジェクトで開発された硬膜を模擬した組織を対象とした縫合作業を行い,従来より短時間で行えることを明らかとし,その効果を示しました.本研究は,総合科学技術・イノベーション会議のImPACTプログラムの助成を受けたものです.

身体イメージを転移可能な直感操作手術ロボット

マイクロサージェリと呼ばれる微細な血管や神経をあつかう手術では,緻密な動作が求められています.そこで本研究ではロボット技術により微細なスケールでこれを実現し,かつ直感的にロボットを操作するための研究開発に取り組んでいます.具体的には,ラバーバンドイリュージョンと呼ばれる錯覚現象では,自身の手があたかもゴム手袋になったかのような感覚が生起されることが知られています.この錯覚現象を応用して,自身の手・指が手術ロボットになるかのうように自在に操ることが出来るシステムの開発を目指しています.

遠隔手術ロボットの開発

手術ロボット・システムでは,操作装置と手術ロボットは電気的信号で接続されるため,インターネットを介した遠隔での操作が可能です.そこで,遠隔手術の検証実験として,本研究では過去に多自由度の手術ロボット・システムを構築し,日本とタイ,韓国を結ぶ遠隔手術実験を実施し,その有効性の検証を行いました.本研究は,東京大学光石研究室 と 九州大学病院先端医工学診療部との共同研究として実施しました.

過去のプロジェクト